列島各地に網羅された水陸の道。要所に置かれた駅や津は、人びとや物資が行き交う交通の拠点であった。物資運搬や軍事に重要な役割を果たした馬や自然環境と生業を通して、多民族・多文化共生の豊かな古代社会を描く。
Ⅰ 古代の交通・情報伝達
「風土記」の原風景―自然環境と人びととの調和
暦のしくみと日常生活―干支と吉凶
時を計り、記す―水時計と合図の鐘
水上交通がささえた交易―水陸を結んだ「津」の繁栄
高速情報伝達「のろし」の威力―工夫されたルート
他
Ⅱ 馬と渡来人
貴重な財産であった古代の馬―厳重な管理下の馬と運搬集団
馬の戸籍の発見―公私と軍事のための帳簿
馬の牧と渡来系氏族―馬飼いの技術と牧場の条件
馬を進上した甲斐国―広域行政の要所と渡来系氏族
他
Ⅲ 古代のなりわいと自然
稲の品種と農業技術―管理された稲作
雑穀と米―韓国出土した木簡と穀物栽培
古代の塩の道―土器が語る生産と流通
甲斐国の特産品―伝統工芸の原点
働く古代の人びと―布をめぐる労働の実態
他
終章 地域の歴史を見つめ直す―甲斐国の歴史文化にみる自然と人間の調和
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